1.1 Zabbix のインストール方法
Zabbixは、利用する環境や目的に合わせて柔軟に対応できるよう、複数のインストール形態を用意しています。それぞれのインストール方法の概要と特徴を、簡単に説明します。
Zabbix パッケージからのインストール
Zabbixパッケージは、RedHat系Linux用のrpmファイル、Debian系Linux用のdebファイルの2つのタイプが提供されています。Zabbixパッケージを使ってインストールを行う場合は、あらかじめ、上記のパッケージが対応しているLinuxの実行環境、データベース、Webサーバを用意する前提になっています。
対応するLinuxディストリビューションのバージョン、CPUアーキテクチャ毎に複数のパッケージが用意されているので、普段使用しているLinuxの環境に合わせてZabbixのパッケージを選択することができます。
Zabbixパッケージからのインストールをカレーの調理方法に例えると(ちょっと無理やりですが)、ルー(Zabbixのパッケージ)を使ってカレーを作るようなイメージかもしれません。肉(RedHat or Rebian)、野菜(データベース)は自分の好きなものを用意し、メインのカレー(Zabbix)はルーを入れればOK、という感じです。
Zabbix アプライアンスからのインストール
Linuxやデータベースを普段あまり使う機会がない方だと、Zabbixパッケージを使ったインストール方法は、少し敷居が高く感じるかもしれません。また、環境の準備にあまり時間を割けないが、Zabbixの機能をとりあえず確認してみたい、という方もいるかもしれません。
Zabbixアプライアンスを使ったインストールは、Linuxにまだあまり慣れていない、もしくは、Zabbixをこれから初めて使ってみる、という方にぜひ、おすすめしたい方法です。Zabbixアプライアンスは、仮想マシンの形態で提供されます。OS、データベース、Zabbixパッケージが全てインストールされ、すぐに利用可能な状態で提供されます。ユーザは、VMware、Hyper-Vといった仮想環境にZabbixアプライアンスを登録するだけでZabbixを使い始めることができます。
Zabbixアプライアンスは、あくまでも評価用との位置づけでZabbix社から提供されていますが、 家のパソコンや、研究・開発環境などで、ちょっと試してみたい、データの収集に使いたい、といった用途には非常に便利です。当ブログでも、このZabbixアプライアンスを使ったインストール方法について、これから説明していく予定です。
Zabbixアプライアンスからのインストールは、カレーに例えると、レトルトを買ってくるような気軽さです。家にごはん(パソコン)さえあれば、すぐにカレー(Zabbix)を食べることができます。
ソースコードからのインストール
Zabbixは、ソースコードを自分でコンパイルしてインストールすることも可能です。Zabbixパッケージが対応していないLinuxディストリビューションや実行環境(ARM系のCPU等)でも、ソースからコンパイルすることで導入が可能です。
最新版がいち早く入手できるのも、ソースコードからインストールするメリットです。
Zabbixの挙動をソースコードを改修しながら確認する、バグと思われる箇所を自分で修正して確認してみる、といった用途に使うことも可能です。
ソースコードからのインストールは、カレーに例えると、香辛料を自分で配合するような感じです(やや大げさですが)。ルーで作る場合に比べ、かなり味付けの自由度は増します。その分、Zabbixや実行環境に関する知識と経験がちょっと必要です。
まとめ
以上、簡単ですがZabbixのインストール方法の特徴、利点などを記載しました。次回は、Zabbixアプライアンスを使ったインストール方法について説明を行います。
インストール用のファイルは、Zabbix Japan LLCの以下のサイトからダウンロード可能です。