1.3 Zabbix のインストール - (2) Zabbixアプライアンスのダウンロードと起動
VMware Playerの準備ができたら、Zabbixアプライアンスをダウンロードし、VMware Player上で起動します。
必要な環境
ストレージの空き容量
解凍後のファイルが約2Gバイト、インストール後のVMのサイズが約4Gバイトなので、ストレージの空き容量は、最低10Gバイトぐらいあった方が安全です。
メモリ
仮想マシン(Zabbixアプライアンス)に割り当てられている実行メモリは、デフォルトでは2GByteになっています。512Mバイトでも一応起動は可能ですが、最低1Gバイトぐらいでは動かしたほうがよさそうです。メモリの空き容量も事前に確認し、容量に余裕がなければ、不要なアプリを停止するなどして、メモリの空き容量を確保しておいてください。
ネットワーク
ダウンロードするファイルのサイズは、約1.7Gバイトです。スマホのテザリングとかだとちょっと厳しいサイズです。
Zabbixアプライアンスのダウンロード
以下のリンクから、Zabbixのダウンロードページを開きます。
様々な仮想環境用のファイルが用意されています。今回は、VMware Playerにインストールするので、ダウンロードページからVirtualBox, VMWare (.vmdk)を選択します。
Zabbix3.0以降のLinuxディストリビューションはUbuntuが採用されています(ダウンロードページの説明には、ディストリビューションはOpenSUSEのままでした)。データベースはMySQLです。ただ、isoのイメージを選ぶと、PostgreSQL版を選択したり、Zabbix Proxyのアプライアンスも選択できるようです。
ダウンロードのリンクをクリックすると、こちらのページが開きダウンロードが自動的に始まります。 2Gバイト近くあるので、通信環境によってはちょっと結構時間がかかります。
ダウンロードしたファイルの解凍
ファイルの拡張子(tar.gz)について
ダウンロードが終了したら、フォルダを開き、ファイルを確認してください。ダウンロードしたファイルの末尾(拡張子)が、tar.gzとなっています。
これはtarというツールで複数のファイルを一つのファイルにし、それをgzipで圧縮したものです。Linux版のtarコマンドでは圧縮も同時にできるので、tgzという拡張子になっている場合もあります。
このtar.gz形式はLinuxでは一般的なのですが、Windowsで中のファイルを取り出すには、フリーソフトなどを使って解凍する必要があります。
解凍用ソフト 7-Zipのインストール
今回は、7-Zipというフリーソフトで解凍する例を紹介します。tar、gzipに対応した解凍ソフトをインストール済みの場合は、それでもOKです。
Zabbixアプライアンスのファイルは、解凍後のファイルが4Gバイト近くになるため、一部の解凍ソフトでは正しく解凍できないケースがありました。もし、使っているソフトでうまく解凍できなかった場合は、7-Zipも試してみてください。
7-Zipは以下のサイトからダウンロードします。
32ビット版と64ビット版があるので、64ビット版の方をダウンロードしてください。
ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックして、インストールをします。特に難しい設定もないので、詳細は割愛します。
ファイルの解凍
7-zipのインストール後、Zabbixアプライアンスのダウンロードしたファイルを右クリックし、コンテキストメニューを表示します。その中に7-Zipという項目があるので、 7-Zip→ 展開を選択します。
展開のダイアログが表示されます。ここでダウンロードしたファイルの解凍先を指定します。解凍先を変更するには、展開先(x)入力フィールドの右端にある「...」ボタンを押して、フォルダの参照ダイアログを開きます。
フォルダツリーの中からマイドキュメントを選択し、新しいフォルダーの作成ボタンを押します。 新たしいフォルダが作成されたら、Virtual Machinesに名称を変更し、OKボタンを押します。
展開先が指定したフォルダになっていることを確認してください。その下のzabbix_appliance_3.4.4_x86_64.vmdk.tar\というのは、展開先に作成されるサブフォルダの名称です。長すぎるのでzabbix_appliance_3.4.4に変更します。
OKボタンを押すと、ファイルの解凍が始まります。
指定した解凍先に、zabbix_appliance_3.4.4というフォルダが作成され、その下にtarファイルが作成されています。このファイルを右クリックし、7-Zip→ここに展開を選択します。
解凍が終わると、同じフォルダに以下のファイルが作成されます。disk.vmdk というファイルは4Gバイト近くありますが、このファイルがない、サイズが違う、といった場合は解凍が正しく行われていません。 再起動後に再度実行するか、別のツールでの解凍を試してみてください。
*ファイルの解凍後、展開前のtarファイルは、HDDの容量に余裕がなければ削除しても構いません。
仮想マシン(Zabbixアプライアンス)の起動
同じフォルダにある、zabbix_appliance_3.4.4.vmxというファイルをダブルクリックします。
VMware Player上で仮想OS(ubuntu Linux)が起動します。すぐにvmwaretoolsをダウンロードのダイアログが表示されますが、後で通知するを選択してください(後からでもインストール可能なで、とりあえずスキップしてます)。
Linuxのログインプロンプトが表示されます。以下のユーザ名、パスワードを入力し、ログインしてください。
- ユーザ:appliance(入力後 enterを押す)
- パスワード: zabbix (キー入力中何も表示されません。入力後enterを押す)
Zabbixアプライアンスに関する設定情報の詳細は、Zabbixのオンラインマニュアルで確認できます。
IPアドレスの確認
ログインできたら、ifconfigと入力し、enterボタンを押します。表示された情報の中で、枠で囲んだ部分が仮想マシン(Zabbixアプライアンス)のIPアドレスです。
もし、IPアドレスが表示されていない場合は、お使いの環境でDHCPが有効になっていない可能性があります。NW環境を確認しDHCPが使える状態にするか、上記のZabbixのマニュアルを参照し、固定IPアドレスを設定してください。
Zabbix Webインターフェースへのアクセス
このIPアドレスにアクセスすれば、ZabbixのWebインターフェースにアクセスが可能です。ブラウザを起動し、以下のURLを入力してください。
http:// (ZabbixサーバのIPアドレス) /zabbix
以下の画面が表示されれば、Zabbixへのアクセス成功です!
デフォルトのユーザID、パスワードでログインします。
- Username:Admin
- Password:zabbix
ログインに成功すると、ダッシュボード画面が表示されます。
これでインストールは完了です。
次回は、実際の監視設定を行う前に、やっておくべき設定について説明します。