2.トリガーの依存関係 (2)
監視データにトリガーを設定する場合、ある値を超えたら警告を出し、さらに状況が悪化したら障害、としたいケースがあります。
トリガーの依存関係を使用すれば、状況に応じたトリガーをシンプルに設定することができます。
2段階のトリガー
CPUの使用率や、メモリ、HDDの空き容量にトリガーを設定する場合、閾値の設定が結構難しいときがあります。
値が低すぎると頻繁にメールが飛んできて業務の妨げになったり、逆に高すぎると、トリガーが発行されたときには手遅れになっていた、ということもあります。
トリガーを警告、障害の2段階で設定しておけば、最初の警告段階ではメールを送信せず画面のみで確認できるようにしておき、障害の閾値を越えたらメールを送信する、という対応も可能になります。
2段階でトリガーを設定する場合、状況に応じて表示されるトリガーは常に一つだけにしておくことが望ましいです。
例として、HDDの残容量の設定で以下のようなトリガーを設定します(監視アイテムは実際のHDD監視ではなく、Zabbixトラッパーを使っています)。
監視アイテム
トリガー
残容量が30%を切ると警告、10%を切ると障害のトリガーが発行されます。この設定で、実際の値が10%を切ると、以下のようにトリガーが2つ表示されてしまいます。
この例だけだとそれほど問題はないように見えるかもしれませんが、複数のサーバ・機器を監視している場合、余計な情報は極力表示しないようにしておいたほうがよいです。
とはいえ、警告トリガーの条件を 30%未満かつ、10%以上 のような条件にすると、閾値や条件の変更をする場合、必ず2つのトリガーが同期するように対応しなければならず、設定ミスが発生する要因になる可能性があります。
トリガーの依存関係を使用すれば、2つのトリガーのどちらかだけを表示するよう、簡単に設定することができます。
依存関係の設定
閾値が障害レベルを超えた際、警告のトリガーをオフにするには、警告トリガーのほうに依存関係の設定を行います。
このように設定することで、値の変化に応じて適切なトリガーだけが表示されるようになります。
値が20%の時
値が3%の時
簡単な設定で実現できるので、ぜひ確認してみてください。