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Zabbixの使い方、役に立つ情報、等々

2. 更新間隔の指定

Zabbixは指定した間隔で定期的に監視データを取得します。

更新間隔の指定は、監視ツールにとって非常に重要なポイントですが、Zaabbix3.4からこの部分が大きく改善され、より柔軟な指定が可能になりました。

改善されたポイントは以下の2点です。

  • 更新時間の指定に単位の指定可能
  • ユーザマクロのサポート

更新間隔の指定

アイテム作成時、更新間隔はデフォルトで30sとなっています。

f:id:Unam:20180117194014p:plain

これは 30秒間隔でデータを取得する という指定です。単位を付けずに30とだけ書いても同じく、30秒という指定になります。

トリガー等では日時の単位がサポートされていましたが、監視間隔でも日付の単位が指定可能になりました。これまでは秒単位した指定できなかったので、1時間間隔でデータを取得する場合は3600、1日に1回だと86400、と記載していました。これだと、ちょっとわかりづらかったのですが、それぞれ1h、1dと記載できます。

単位は、Zabbixのマニュアルに以下のように記載されています。

f:id:Unam:20180117184234p:plain
8 Unit symbols [Zabbix Documentation 3.4]


週に1回という指定も可能です。 少し気をつけないといけないのは、データを取得するタイミングは、(サーバの負荷集中をさけるため)Zabbixがランダムに決める、という点です。

たとえば、Cドライブと、Dドライブの使用量を1日に1回取得する、という設定をしたとします。それぞれの監視データを取得するタイミングは、まったくバラバラになるため、Cドライブの値は朝、Dドライブは昼過ぎ、という可能性もあります。データをドライブ間でコピーしている場合などは、これでは正確な状態の把握ができなくなります。

データを取得するタイミングを合わせたい場合は、その下にある 更新間隔のカスタマイズ・定期設定 を使うと良いでしょう。こちらは、また別途紹介したいと思います。

また、CPUやメモリの使用率のように、複数の値を同時に取得しないと正確な情報を得られない(監視データの合計が本来100%になるはずが、バラバラに取得しているため100%にならないケース)ものは、依存アイテムを使って取得した方がより効率的にデータの取得が可能です(これもZabbix3.4で追加された機能。こちらも別途記載する予定です。)

マクロによる監視間隔の設定

監視間隔を、ユーザマクロを使って指定することもできるようになりました。

マクロの定義で、監視時間を指定します。

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監視間隔の欄にユーザマクロを指定します。

f:id:Unam:20180117191333p:plain

このように複数のアイテムの監視間隔をマクロ指定しておけば、まとめて変更することが可能です。
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アイテム設定の一括更新 でも設定の変更は可能でしたが、あくまでも一つのホスト内での変更だけです。テンプレートの更新間隔をユーザマクロで指定しておけば、ホスト単位で間隔の変更が可能です。また、システム共通マクロで規定値を定義する前提で、テンプレートやホストの設定では、マクロだけ記載しておく、という使い方もできるようになりました。

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テスト、もしくは導入当初だけ、監視間隔を短く設定し、実際は長い間隔で運用する、というケースは結構あると思います。ユーザマクロで監視間隔を設定しておくと、そのようなケースにも容易に対応できるようになります。