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2. ヒストリ・トレンドの期間指定

ヒストリは、監視アイテムの設定時に指定した間隔で取得したデータをそのまま保存しているデータです。監視間隔を短く指定すると、当然のことながらあっという間にデータのサイズが大きくなり、Zabbixサーバのパフォーマンスに様々な悪影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

トレンドは、ヒストリデータを1時間単位でまとめたデータで、各アイテムの最小値、最大値、平均値を保存できます。トレンドデータは、数値データだけ作成されます。文字データにトレンドはありせん。

トレンドデータは、1分毎に収集しているアイテムでも、30分に1回収集しているアイテムでも、作成されるトレンドデータは、1時間に1レコードです。

両者をうまく使い分けることで、システムリソースを効率的に使いながら、監視データを長期間Zabbixサーバ上で保存することができます。

設定方法

監視アイテムの指定画面で、それぞれ期間を指定します。

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この例はちょっと極端ですが、ヒストリ1時間、トレンド1年、という設定にしています。

各値は、1hから25年とう範囲で指定が可能で、指定の際に時間の識別子がV3.4から使えるようになりました。

V3.4では、さらにユーザマクロも使えるようになったので、システム全体でデータの保存期間をあわせておきたい場合など、確実に設定ができるようになりました。非常に大きな改善だと思います。

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これまでは、管理のデータの保存期間という設定画面から、全アイテムのヒストリとトレンドを上書きという機能がありました。ただ、これは本当に全部の監視アイテムの設定を上書きするため、実際に使えるシーンはあまりなかったような気がします。

実際のデータの保存状態

上記のデータを最新データで確認します。

グラフでは、データを開始してから5日分のデータが表示されています。

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のほうを確認すると、3件分しか記録されていません。これは、ヒストリが1時間のため、30分間隔のデータが2件分、プラス、次回housekeeping(削除処理)が走った際に削除されるデータが1件、という構成です。

このように、ヒストリだけでも値の把握はある程度できるので、あまり短時間で値が変化しないようなデータの場合は、ヒストリの期間を短くしてもよいでしょう。

あとがき

最低限必要なデータのみヒストリで保存して、それ以降はトレンドでとZabbixのマニュアルでは推奨されています。その最低限の期間というのは、システムの特性により簡単には決められないことのほうが多いと思いますが、基本のセオリーとしてこのルールは意識しておいたほうがよいでしょう。

個人的には、「念のために」と、ヒストリの期間を長く保持していることが多いのですが、1ヶ月以上前のデータのチェックをする際に、1時間以下の細かい精度が必要になるケースはあまりないなあというのが実感です。