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3.公開テンプレート - Linux監視

Shareサイトに、Linux監視用のテンプレートを公開しています。 今回は、そのテンプレートの内容と導入方法を紹介します。

テンプレートの概要

テンプレートの置き場はこちらです。

share.zabbix.com

このテンプレートは、公式テンプレートと一緒に使う前提で作成しています。特徴は以下の通りです。

CPUとメモリを依存アイテムで取得

CPUやメモリの使用率のような各値の合計が100%になるような監視データをバラバラに取得していると、値が急激に変化した際、グラフの合計が合わなかったり、隙間ができてまったりします。 できれば解決したい課題の一つでした。

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Zabbix3.4から提供されている依存アイテムを使い、外部スクリプトで取得した複数のデータを、同じタイミングで複数の監視アイテムに格納するので、グラフの描画も正確になります。

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監視状態を一覧できるホストスクリーンの追加

複数のグラフを一つの画面で参照するためのホストスクリーンです。公式テンプレートにもホストスクリーンは設定されていますが、監視データの一覧性という点では少し項目数が足りなかったので、そこを補完するために作成しました。

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設定方法

上記のShareサイトのページ下部にあるダウンロードボタンをクリックします。

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ダウンロードしたzipファイルを適当なフォルダに解凍します。

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CPUとメモリの情報を取得するためのスクリプトとユーザパラメタファイルをデータを取得するサーバにコピーします。 以下の例は、WinSCPというツールを使った例です。

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ファイルをコピーしたサーバにログインし、各ファイルを所定の場所にコピーします。 ZabbixAgentを再起動し、値あ取得できることを確認してください。

# スクリプトのコピーと実行権限の変更
$ cp /tmp/template/memory_zabbix_master_item.sh /usr/local/bin/
$ chmod 0755 /usr/local/bin/memory_zabbix_master_item.sh 

# ユーザパラメタファイルのコピー
$ cp /tmp/template/userparameter_linux-plus.conf /etc/zabbix/zabbix_agentd.d/

# ZabbixAgentのリスタート
$ sudo service zabbix-agent restart
[sudo] password for appliance: 

# 動作確認(CPU)
$ zabbix_get -s 127.0.0.1 -k linux.cpu.master | jq
{
  "CPU_USER": 0,
  "CPU_SYSTEM": 1,
  "CPU_IDLE": 98,
  "CPU_IOWAIT": 0,
  "CPU_STEAL": 0
}

# 動作確認(メモリ)
$ zabbix_get -s 127.0.0.1 -k linux.memory.master | jq
{
  "MEM_TOTAL": 1015900,
  "MEM_FREE": 102968,
  "MEM_BUFFERS": 89532,
  "MEM_CACHED": 167396,
  "MEM_USED": 656004
}

ZabbixのUIからテンプレートのインポートします。メニューから、設定→テンプレートを選択し、インポートボタンをクリックします。

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参照ボタンを押し、ダウンロードしたテンプレートzbx_export_templates - OS linux - Plus.xmlを選択してください。

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インポートボタンを押して、登録します。
これで登録作業は完了です。

テンプレートの一覧画面で、テンプレートが追加されていること、公式テンプレートにリンクされていることが確認できます。

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テンプレートの適用

新規で作成するホストの場合、単純にこのテンプレートを選択すればOKです。

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すでに公式テンプレートを使用している場合は、一度リンクを解除してから、このテンプレートを適用します。

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リンクを解除を行っても、公式テンプレートで収集していたアイテムはホストに残っています。新しいテンプレートに公式テンプレートのアイテム定義が包含されているので、新テンプレート適用後、再度テンプレートとの紐付けは自動的に行われます。

収集データの確認

設定したホストスクリーンは、メニューからダイレクトに表示画面に行くことができません。メニューの監視データにある、障害、概要、マップのホストを左クリックし、コンテキストメニューに表示されてホストスクリーンを選択することで表示できます。

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まとめ

Zabbixのスクリーンは、複数の値を同時に確認できるだけなく、表示期間もフレキシブルに変更ができ、定常監視や障害調査で役に立つ、非常に便利な機能です。ぜひ、活用してみてください。