4. メール送信設定(STARTTLS)
障害の発生や復旧をメールで通知する設定方法を説明します。
メールの通知は非常に重要な機能ですが、Zabbixの設定はいろいろなことが柔軟に設定できるようになっている分、ちょっと設定がわかりづらいです。
メールの送信は、ZabbixServer上でPostfixなどのSMTPサーバを動かす方法と、Zabbixから直接SMTPサーバにデータを送信する方法があります。今回は、Gmailを使って直接Zabbixからメールを送信する方法を説明します。
Gmail側の設定
Zabbixからアラートメールを送信する際に使用するメールアドレスを用意してください。今回は、Gmailを使います。
ZabbixからGamilサーバにメールを送信する際、STARTTLSという方式で通信を暗号化します。現時点(2018年1月)のGamilの仕様では、標準でOAuth2.0のみが許可されてるのですが、ZabbixはOAuthには対応していません。
そこで、STARTTLSで接続することになりますが、Gmailからは接続が拒否されます。
Zabbix serverのログ
1264:20180110:224033.493 failed to send email: Login denied
上記のようなアクセスがあると、Gmail側にも以下のような警告メールが到着しています。
上記のメール通知の中に、安全性の低いアプリへのアクセスを許可 というリンクがあるので、それをクリックします。この画面で、設定を有効にすることで、STARTTLSでの設定が有効になります。
※セキュリティの強度を下げることになるので、該当メールアカウントのリスクを考慮の上、自己責任で設定を変更してください。
これで事前準備はOKです。
送信元メールの設定
メニューから、管理→メディアタイプ を選択します。
メディアタイプの作成 をクリックします。
Gmailに接続するための情報を入力します。
設定する内容は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 任意の名称 |
SMTPサーバ | smtp.gmail.com |
SMTPサーバーポート番号 | 587 |
SMTP helo | gmail.com |
送信元メールアドレス | Zabbixからのアラート通知の送信に使用するメールアドレス |
接続セキュリティ | STARTTLS |
認証 | Username and password |
ユーザ名 | 送信元メールアドレスと同じ |
パスワード | Gmailのパスワード |
入力が完了したら、追加ボタンを押して登録します。
Zabbixユーザのメール設定
今度は、メールの送信先に関する設定です。
今回は、インストール時に用意されているAdminユーザにアラートメールが送信されるように設定します。
メニューから、メニュー→ユーザを選択します。
Admin をクリック。
メディアタブ→追加をクリック
送信先のメール情報を入力します。タイプは、先ほど作成したメディアタイプを指定します。
送信先には、自分が受け取りたいメールアドレスを指定します。 指定した深刻度の時に使用のところのチェックをはずすと、対象レベルのトリガーの通知はメールが送信しないように設定できます。
入力後、追加ボタンをクリックします。
この画面が表示されたら、最後に更新ボタンを押します。
**ここで更新ボタンを忘れて、別の画面に言ってしまうと、メールの設定は保存されません。
** メールが来ないので設定を確認したらメールの設定情報が消えていた、というのはケースは、ここで更新ボタンを押していない場合が多いです。
アクションの定義
最後に、トリガー発生時の処理を設定します。Zabbixでは、トリガーが発生した際の通知の手順をこのアクションで柔軟に設定できます。
メニューから 設定→アクション を選択します。
Report problems to Zabbix adminisratorsという設定があるので、それをクリックします。
最初に、アクション実行の条件を入力します。新規条件のプルダウンから、メンテナンス状態、期間外を選択し、追加ボタンを押します。これは、対象のホストがメンテナンスモードになっていなければ処理を行う という条件になります。
有効にチェックを入れます。
次に、実行内容タブを選択します。 実行内容枠内にある、変更ボタンをクリックすると、処理の内容が確認できます。
今回は、元々用意されているこの設定のままでメールの送信が可能なので、このまま更新ボタンを押してください。
これで設定は完了です。 監視しているホストでエラーを発生させ、アラートメールが送信されることを確認してください。
トリガーの発生方法は、こちらにも記載しています。
ちょっと、ユーザ設定とアクション設定が関係が、最初はややこしく感じるかもしれません。まずは、今回紹介したように、インストール時に用意されているユーザ、設定を利用してメール通知ができることを確認するのがおススメです。