2.監視アイテムの追加 - 計算
計算アイテムは、機器やシステムの状態を正確に把握したり、適切なアラートを発行するために欠かせないアイテムです。
書式はちょっとだけ癖があり、最初は少しわかりづらいかもしれませんが、慣れると非常に便利なアイテムなので、ぜひ積極的に使ってみてください。
基本構造
計算アイテムの登録画面です。
主要な設定項目は以下の通りです。
項目 | 説明 |
---|---|
タイプ | 計算 |
キー | ユニークな名称であれば何でもよいです。利用するアイテムキーをベースに修正するのがよいと思います。 |
式 | トリガー関数と監視アイテム、算術演算子を使って欲しい値の計算式を指定します。 |
7 計算アイテム [Zabbix Documentation 2.2]
計算アイテムで、他のアイテムの値を指定するには、以下のルールで記述します。
トリガー関数("アイテムキー"、監視の引数1、引数2・・・)
トリガー関数の一覧はこちらを参照してください。
1 Supported trigger functions [Zabbix Documentation 3.4]
個人的にわかりづらいと思った点
他のプログラム言語のように、アイテムキーを変数名のように考え、キーをそのまま使えるではないかと思っていた。
アイテムキーをダブルクォーテーションで囲むのを忘れ、値がとれずに悩む。他の書式と統一感がなく、意外と忘れる。
計算アイテムで使える関数=トリガー関数と理解するのに時間かかった(最初はサンプルだけ見て真似していただけなので・・・)。
トリガー関数を使うが、最初の引数がアイテムキー、感覚的に理解しづらかった。
慣れてしまえば、なんてことはないですし、例によってマニュアルにはきちんと記載されていることばかりですが、最初の頃はわからないことだらけなので、結構計算アイテムの使い方は混乱しました。
利用例
計算アイテムは、利用率や、差分の計算など、監視アイテムから直接取得できない値の計算に利用することが多いと思います。
そのほかにも任意の間隔で平均値を取ることで、値の比較が正確にできる場合があります。以下のグラフは、ロンドン、ニューヨーク、東京の気温変化を記録したものです。30分に一回記録しているので、時差が大きく異なる地域を同じグラフにしても、昼夜の動きがずれているため、あまり並べて比較する意味がありません。
各地域の値を、計算アイテムで1日の平均も記録しておくと、時差のある地点間でも客観的な比較がやりやすくなります。
ロンドン(緑)と東京(青)は、2月の中旬まで似たような気温ですが、月末から3月にかけて、東京が徐々に暖かくなり、逆にロンドンは(ヨーロッパ全体を襲っている寒波の影響で)どんどん気温が下がっている、というのが先ほどのグラフよりはわかりやすくなりました。また、ニューヨーク(赤)は、同じ月でも非常に気温差が激しいことがわかります。
これはほんの一例ですが、計算アイテムをうまく活用すると、監視対象の状態をより正確に把握できるようになります。